世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

大岩オスカール展


ブラジル、サンパウロ生まれ
サンパウロ大学建築学部を経て日本、ロンドン、NYに活動の拠点を移す。


初めて大岩さんの絵をみたんだけど、やっぱり建築から入っているせいか、彼のモチーフは建物に依存しているところがすごく多い。

・ビル
・下町
・工事現場
・空き地

それを一つの世界(小宇宙)に見立てて、独自のイマジネーションをキャンバスに膨らませ、
彼が収集しているたくさんの新聞・雑誌の切抜きや写真をその宇宙のなかに切り張りしていく。
そういうイメージで絵を描いているタイプ。
まぁ好き嫌いはあるでしょうが、その発想の組み立て方がちょっと新鮮だった、というか、
「こういうやり方もそういえばあったかも」と思った。
モダンアートは独創的な発想がたまにいい刺激になるからおもしろい。

これは大岩さんのセルフポートレイト。

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去年ホイットニーでやっていた企画展の中で、たくさんの「Green」という文字が入っている文章をそのまま切り抜いて文字の部分にマーカーし、部分部分に緑色の糸やボタンや布をあてはめた作品がとってもおもしろかったのを思い出した。

大岩さんはそういったビルや工事現場など雑多なものに「けむり」をつなげるのが好きみたい。
彼の写真の切抜きには事実そういう類のものが多かった。「けむり」自体は私も好き。

大岩さんのHPはこちら → http://www.oscaroiwastudio.com/


彼はインタビューのビデオでこう言っていた。
「絵を描く事って現代社会においてかなりローテクなことなんです。基本、誰かのために描いてるわけじゃないし、強いられる事もないし、地味な作業なんです。こつこつやって、お金になるかっていえば別にそうでもないし。朝起きて、描いて・・・それだけなんですよね。」

ほんとだ。
すごいローテク。
楽家は最新のコンピューターがあればいいし、作家はPCさえあればいい。
画家って今でも鉛筆と筆と絵の具なんだ、考えてみると。
現代において失われずに生き残っている最後の?手段をもって作品にする。
そう考えると世にいる画家ってなんてかっこいいんだろうと思ってしまった。
書道なんかもそうですね。あ、相田みつを・・・(笑)。


今日も暑かった。
美術館のテラスは風がとても心地よかった。
雑念がどんどん消えていくような気がした。

やっぱり夏はいい。
ここのアイスコーシーは期待を大きく裏切りとても美味しかった。

イメージ 2



バイ。