世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

スティービー・ワンダーと

イメージ 1

「音楽を聴いてまだ日の浅い人の道しるべになり、
なおかつ、ひと通り音楽を聴いた人がまた戻ってくる場所でもある」


1985年、僕は中東を旅行しながら、絶えず人口が増加していた世界で最も古いという評判の町ジェリコへ行ってみることにした。曲がりくねった穴だらけの埃っぽい道を数時間走り、ジェリコ郊外の電気も通っていない村の広場に出た。そこでは地元の人たちが物々交換の商品と革のサンダルを売っていた。白い木綿のショールで身を包んだ10代の娘らが僕らをふたこぶラクダに乗せてくれたが、彼女のトランジスタ・ラジオからは紛れもない「スーパースティション」のリフレインが流れていたのだった。東京のすし屋でも、パリのポンピドゥーミュージアムの館長の部屋でも、ベルギーのテキスタイル工場でも、僕が教えている大学の音楽学部でも、スティービー・ワンダーの音楽があるのだ。


~ライナーノーツより


ちょっと前の時代には「音楽と呼べる音楽」がワンサカあった。
スティービー・ワンダーもその一人。
多分、この名前を聞いて「いいね」という人は、
その「いいね」と言う0・5秒の間に遠い過去の自分の記憶を追いかけているはず。
それが音楽だ。
それが音楽なんだと思う。


以下、厳選好きな曲ラインナップ。

・My Cherie Amor
イントロのクラシックな出だしが大好きで、ここを聴く為だけにリピートしてた。

・Sir Duke
トランペットが・・・プゥ~ってとこ。やっぱりこれの聴きどころはサビじゃなく、絶対間奏。


・Living for The City
この歌大好き。
ミシシッピーの貧しい黒人家庭の話なんです。「お姉ちゃんは学校に行くために毎朝すごい早起きしてさ、スカートなんかはいたらスラッとした足がかっこよくてね。着ている服は確かにボロだったかもしれないけど、でもけして汚れてなんかいなかったぜ」っていう歌詞がいいじゃない。イントロもいい。搾り出すように歌う声もいい。
間奏の「ララララ~」ここ・・・・・・・・・・せつなすぎ。このハミングをうまく歌えない人は音痴を自覚しましょう。
何言ってるかわかんなかったらみて。ワシントンポストホワイトハウスニクソンが出てくるあたりです。






・Lately
飲んだ時に聴くと、ほぼ高確率で泣けるか、またはもっと酔いがまわる。保証します。

・Just Called to Say I Love You
むかしうちの家電の保留音になっておりました。保留にして待たせておきながら歌う、みたいな。

・Overjoyed
これを聴いてダメだったら洋楽は諦めた方がいい。バラードの代表曲ですね。名曲。

・A Place in The Sun
これは一転フォークみたいな感じの歌ですね。明るく歌ってるけど、迷い続けてきたスティービーワンダー本人の気持ちの投影でしょうか。

・Superstition
これが一番好きだった。
ティービーワンダーと言われたら迷わずこれ。最初に聴いた時、全身に雷が走るみたいな衝撃を受けた。


Redemption Songというなかなかドラマチックでいい歌があるんですが(80年代チューンがビリビリ)、
最近知ったけどこれはボブ・マーリィのカバーだったんですね。しかもボブの方はもうちょっとアコースティックな感じでした。

スティービー・ワンダーの優れた点と言えばいろいろあるんだろうけど、
個人的にはどの曲とってもハミングのメロディラインのかっこよさ、あるいは美しさに限ると思います。
(それにしても高音ボイス)



今日、ようやく新しいCDコンポが届きました。
劇的に音の変化があるかと思ったらそうでもなかったので、これまで8年間毎日毎日休むことなく働いてくれたこれまでのやつも、それなりにいいやつだったということが判明しました。お別れなんて寂しい。


というわけでチャオ。