世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

マンハッタン殺人ミステリー

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マンハッタン殺人ミステリー(原題:Manhattan Murder Mystery)1993年

主演:ウディアレン、ダイアン・キートン

(あらすじ)
結婚20年を過ぎた夫婦の隣に住む老夫婦の奥さんがある日突然心臓発作で亡くなった。
しかし、ラリー(ウディ・アレン)の妻キャロル(ダイアン・キートン)は、謎が多いその事件を不審に思い、首を突っこんでいくことから始まる喜劇ミステリー。


ちょっと長かったかなぁ~。
不思議なのは、この映画ってこれといってオチがない。
犯人も最初に予想された通りだし、最後にすごい展開が待ってるわけでもなく。

とにかく不思議な事に、普通のミステリーと違ってハラハラドキドキとかいう高揚感はありません。
珍しいパターンです。更にこういう展開を「笑い」に持っていくセンスはやっぱり彼ならでは。普通では終わらせない、オリジナルなミステリーです。火曜サスペンス好きには全く物足りないでしょうね、多分。


ラストでは若干ヒッチコックなシーンが登場するし、更には私だけかもしれないけど「ローズマリーの赤ちゃん」を彷彿させる。NYのアッパークラスの高級アパート、いわゆる密室で起きる謎と殺人。一体お隣さんは何者なのか?ここでもウディの映画好きが地味だけど要所要所に染み渡っています。BGMにはお馴染みの「Take Five」や「Sing,Sing,Sing」なんかが流れちゃって、これがまたかっこいい。聞いていて耳障りじゃないし、そのセンスには毎回憧れる。素直にすごいなって。(http://www.youtube.com/watch?v=3mJ4dpNal_k&feature=related) 


<かっこ悪い役をやらせたらピカイチのウッディ・アレン>

もうこれに尽きると思う。
場が悪いというかバツが悪いというかきまりが悪いというか
とにかくどうしようもないところが笑える。しかもセリフまわしも相変わらずお見事。
減らず口なんだけど、やっぱりそこがおもしろい。何度笑ったか・・・。

彼の作品でいつもいいなとしみじみ思うのがオープニング。
I Happen to Like New Yorkっていう曲が流れます。歌詞はこんな感じでバックにNYの夜景が・・・きれい。


ぶらりとニュージャージーへ行ってみる
でも目的地へ着くと、次の汽車で戻ってくる

この世に別れを告げて、弔いの鐘が鳴り始める頃
僕は天国にも地獄にも行きたくない
ニューヨークへ帰りたい
ニューヨークが好きなんだ


NY生まれのNY育ちの人って、すごい思い入れとプライドがある。ウッディアレンもその一人。
最近こそヨーロッパに舞台を移しているけど、この人の作品の殆どの舞台はNYだから、それほど好きなんでしょう。彼らは自分達をアメリカンじゃなく、ニューヨーカーと呼ばれることを好むと聞きました。
いっそのこと独立国にしてもいいかもなんていうジョークも聞いた事があります。


ウッディ・アレンのパートナーとして、ミア・ファローとダイアン・キートンは甲乙つけがたいくらい、いい。
今回の作品は、一風変わったミステリーとしては合格とします!