世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ニコラ・ド・スタール「オンフルールの空」

― 君は一体誰が一番好きなんだ、え、謎のような男よ。父親か、母親か、妹か、それとも弟か?

― 僕には父も、母も、妹も、弟もいない

― 友達か?

― 君は今日の日まで、僕がその意味さえ知らない言葉を使った

― 祖国か?

― それが如何なる緯度の下にあるのかさえ、僕には明らかではない

― 美人はどうだ?

― そう、もし不死の女神でもあることなら、悦んで好きになりもしようが

― お金は?

― 君が神を嫌うように、僕はそいつが大嫌いだ

― ええ!一体それじゃ何が好きなんだ、不思議な異邦人よ

― 僕の好きなのは雲さ・・・。流れて行く雲・・・あそこを・・・あそこを・・・あの、類稀な雲なのさ



~ 『異邦人』(シャルル・ド・ボードレール)より ~


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ニコラ・ド・スタール  
「オンフルールの空」  


スタールは若き人生を自ら絶った。
彼の死後、たくさんの画材の請求書が残されていたと言う。


例えばどんなに荒くれ者であろうと、破天荒であろうと、身勝手だろうと何だろうと、

その人が創り上げた芸術に罪はない。

それだけのものを創れる人って、とてもカッコイイし、ちょっと嫉妬してしまう。





それにしても、・・・いい空。

無限の想像力の世界。