― 君は一体誰が一番好きなんだ、え、謎のような男よ。父親か、母親か、妹か、それとも弟か?
― 僕には父も、母も、妹も、弟もいない
― 友達か?
― 君は今日の日まで、僕がその意味さえ知らない言葉を使った
― 祖国か?
― それが如何なる緯度の下にあるのかさえ、僕には明らかではない
― 美人はどうだ?
― そう、もし不死の女神でもあることなら、悦んで好きになりもしようが
― お金は?
― 君が神を嫌うように、僕はそいつが大嫌いだ
― ええ!一体それじゃ何が好きなんだ、不思議な異邦人よ
― 僕の好きなのは雲さ・・・。流れて行く雲・・・あそこを・・・あそこを・・・あの、類稀な雲なのさ
~ 『異邦人』(シャルル・ド・ボードレール)より ~
ニコラ・ド・スタール |
「オンフルールの空」 |
スタールは若き人生を自ら絶った。
彼の死後、たくさんの画材の請求書が残されていたと言う。
彼の死後、たくさんの画材の請求書が残されていたと言う。
例えばどんなに荒くれ者であろうと、破天荒であろうと、身勝手だろうと何だろうと、
その人が創り上げた芸術に罪はない。
それだけのものを創れる人って、とてもカッコイイし、ちょっと嫉妬してしまう。
それにしても、・・・いい空。
無限の想像力の世界。