世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

クレムリン-赤の広場

クレムリン
私が訪れた時、エリツィン大統領が政治的にも肉体的にも衰弱しきり、退任するかどうかの瀬戸際のあたりでした。でもロシアというと、私がすぐに連想されたのはゴルビーことゴルバチョフ書記長でしょうか。ソ連崩壊、核廃止条約の調印などあれほど犬猿の仲と言われたアメリカと初めて手を結ぶところまでこぎつけた彼の貢献度は計り知れない。

また子供の頃テレビでソビエト連邦の様子が映し出され、パンを一つ買うのにも長い行列が出来ていたのを見て、ロシア(ソビエト)=食べるものがない国っていうイメージがインプットされていました。
あれは異常なインフレでしたが、それって考えてみればつい最近のことなんですよね。


ロシアを訪れたのは9年前になります。いろんなことがいっぱいいっぱいだったので予備知識もなにも持たずに出かけたため、非常に肩身の狭い思いをしました。当時ロシアは全くノーマークだったので全然知らなかったんです(今もそんなに詳しくないけど)。


クレムリン
入場料が必要となります。一部のみ観光客に解放されています。
モスクワはどこもそうでしたが、「ロシア人」「その他外国人」と窓口が二つあって、料金が違います。
事前にそれを友人から聞いていたので国際学生証を持って行きました。すると若干の割引が受けられます。


- 赤の広場にて -

■聖ワシーリー聖堂
今は修復されてすっかり色が変わってしまったらしいですが、私が訪れた時は昔のまんま。
実に味が出ています。
場所はレーニン廟がある赤の広場のところにそびえ立っています。
殺伐としただだっ広い石畳の中に。

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内部も装飾が剥げまくり狭い回廊を歩いていくと、小さな広間が点在しています。
今にも崩れ落ちそうでちょっと恐怖だったんですが、当時のソビエト連邦の時代にこのような建築物があること自体が奇跡です。当時はあまりにもの美しさに、二度とこの聖堂を作れないようにするため、設計士の目をくりぬいたそうですが・・・ありえる話ですね。

ローマを訪れたらバチカンは必須なように、モスクワを訪れたらここはマストです。これだけでも来た甲斐があるような気がします。


■大砲の皇帝
当時は世界一と言われた大砲です。

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こんな大きい吹き出し口からどれだけ大きい玉がどのように発射されるのか不思議です。
こういうものが「赤の広場に展示」されていること自体が、なんとなく・・・・・・な感じがしました。
これのそばにも同様に特大級の鐘が地べたにドッカーンと置かれていました。


■国立百貨店
国立のデパートです!!美術館みたいな大きい建物が赤の広場に建っていました。
いつの時代の一体誰がこんなデパートで買い物をするのだ・・・唖然。
同じ頃、食料品店の陳列棚はすっからかんだったというのに・・・。


- クレムリン内部 -

■大統領官邸
ものものしい感じです。周囲をモスグリーンの制服を着た軍人がブーツをガツガツいわせて直角行進していました。警備も重厚です。もちろん立入禁止です。写真はありません。


ウスペンスキー聖堂(多分)
何せこのような教会はいたるところにうじゃうじゃしているのです。だから名前が定かではないですが、当時の皇帝の戴冠式や現在は大統領就任式典などを行う場所です。プーチンの愛弟子の次期大統領(何度聞いても覚えられない名前の人)も、ここで祝典か式典を行うはずです。

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数ある聖堂の中でも一番豪華絢爛でした。
カトリックを思わせるような金ぴかの装飾、内部に入ると眩しくて目が痛い。


■イヴァン大帝の鐘楼
(イヴァン大帝って誰だろう)当時モスクワ一大きい鐘楼として名高かったそうです。

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ギリシャ正教会がブルーのドームだとしたら、ロシア正教会はゴールド。
クレムリン内部だけじゃなく、町のいたるところにこの教会が点在しています。


とにかくゴージャスなクレムリン
「俺たちむかしは結構イケてたんだぜ、強かったしさ。歴史も一応あるし。」って豪語してる感じがする。

ローマで知り合った私より年下のロシア人の友人はこう言っていました。
「バービー人形とかマクドナルドとか子供の頃は存在すら知らなかったから、最初入ってきたときはビックリした。」
この意識の格差たるや。

まだ世間知らずだった私はその話を聞いて衝撃を受けました。
そしてそのロシアから未だにたくさんの人々が海外に続々と出て行く。
語学留学なんかじゃない。
母国ではない、他の国で骨を埋めるつもりで出て行く。
「ロシアにずっと住んでいたい」と言った人に私は未だに出会ったことがないのだけれど
でも実際住んでそこで暮らし続けている人々の気持ちまでは分からない。
幸せだと感じる定義は人それぞれですから、一方的に判断は出来ないなと思ったりします。

ちなみに私は亡き米原万理さんのロシア話、わりと好きだったりします。
人間味あふれていて。