世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ベルリン国会議事堂のスペースドーム

「ドイツ、あるいはドイツ人の印象を三つ挙げてください」

そう聞かれたら、私はまずこう答えると思う。

1. きっちりしている
2. 新しいものを取り入れようとする積極性がある
3. 真面目で探究心が深い

ありとあらゆる国籍の学生と一緒に学んで思ったのが、ドイツ人は他のヨーロッパとはちょっと違う。
フランスやイタリアほど我が強くないし、かと言って北欧ほど消極的でもない。
ロシア圏やアフリカ圏みたいに常に不満を並べることもなければ、英語圏みたいにNo.1要素なんてさらさら持ち合わせていない。

オリジナルな人たちなんです。

自分の意見は他と一緒できちんと持ってます。自国の過去の歴史についてもちゃんと学習した上で何がいけなかったのかをそれぞれ自分の口で述べる事ができます(オープンな会話では持ち上がりにくいテーマではありますが)。時に理屈っぽく見られたりといったようなマイナス要因もありますが、性格は比較的穏やかでおおらかなのではないでしょうか。誉めすぎかな。

いずれにしても私は好印象を持っています。排他的な民族に見られがちだけどふたを開けるとそうでもない。
特に「新しいものへの探究心」に対しては限りなくオープンマインドな人たちだと思うんです。

その象徴は、やはりベルリンにあるのではと思わざるをえない。

その答えはこれ。


イメージ 1


国会議事堂。
東西分裂時代からある古めかしい建物の上にこんなものが乗っかっています。
インフォでマップをもらった時にその写真をみて凝視してしまった。
「・・・なんだこれは」
まるでスペースドームのよう!

どうやったらこういう発想が浮かんでくる?
どうしてこんな歴史上の建物にこの現代的なドームを乗せちゃおうと考える??
そしてどうしたらそれを実現までこぎつけられる?
本当にすごい!!

内部。

イメージ 2


下部はパルラメントブース、ちょっとぼやけているけど目を凝らすとテーブルがズラリと並んでいる様子が分かるかと思います。

イメージ 3


全景写真がないのでこちらへ行ってみてください。→ ベルリン国会議事堂



内部トップの写真は浮かれた私が興奮を隠し冷静な振りで映ってるので載せません。想像でお願いします。


はっきり言いましょう。
ベルリンの観光スポット、ブランデンブルグ門やチェックポイントチャーリー(あとでアップします)を歩いたところで、今のベルリンに触れることはほぼ不可能です。

このドームはほんの一例で、他にも度肝を抜くような建築物はいたるところに溢れていました。
市バスに乗り、東から西側へ横断してみると随所で降りたくなるような目をむく建物が・・・。
写真は残念ながらありませんが、私の心の中ではまだそれがどこにあったのかを正確に思い出せるほど焼き付けてあります。『ベルリン天使の歌』で主人公が天使の像の脇に座って語るシーンがありますが、あれの横にある茂みの奥の水べりにあります。

目にするは全てがモダンデザインと呼ばれる類。
正直言ってロンドンでもこんなの見なかった!!

古いものと新しいものの融合、じゃないんです。
「むりやり新しいものを投入」なんです。
そのデコボコっぷりが、すごくハマってる感じがしました。

何に心を揺さぶられたかって、
東西統一がなされてから間もなく20年、経済はがたつき失業率はトップレベル、ドイツマルクが幅をきかせた時代はとっくに終焉を迎えるも、人々は常に前へ前へと少しずつ歩いているところです。
それが、ベルリンを見るとよく分かります。もちろんそういったゼネコンラッシュも破綻を来たし更なる悪循環になっているのも事実なのですが、他のヨーロッパ諸国は遥かに保守的なのでここまでやりません。ここで経済論争をするつもりはなく、ただベルリンみたいに新規的な積極姿勢にかなり驚いてしまったって話です。

ベルリン人たちよ、いかなることがあろうと不屈の精神でこの逆境に立ち向かって欲しい。

そして今日も明日も、彼らはザワークラウトシャウエッセン片手にドイツビールをがぶ飲みしながら
明るく陽気に今日の一日を語り合っていることと思う。(でも彼らもちょっと話が長いんだよね)

おしゃれだとかなんとかでスポットを当てるのはパリでもミラノでもない。
ベルリンだ!
経済復興のためにも、歴史的スポットでツーリストを吊るのではなく、今のその姿を打ち出すのだ!
それでも心もとないと言うならば、あとはロマンチック街道で吊ればいいのだ!



・・・・・・・・・息が切れたのでこの辺で。
チャオ。