世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

⑤モロッコの皮染め

フェズの観光は遂にクライマックスへ。
ロッコに来た本当の目的は一度、この皮染めを見たかったからです。

不機嫌ガイドが連れて行ってくれたのは、細い裏路地で、そこから2階に上がるとよく日本でも見かけるアジアンテイスト溢れたランプやさんがあり(ここでも押売り)そこから皮染め作業を上から見下ろす感じでした。
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まず羊の毛をこうやって天日干ししているとのこと。
何日間かこれを続けると言ってました。
上から見ると実に整然と並べられていておもしろい。
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その後、染色用のインクをいくつにも並べられたこの土壁に流し込み、色ごとに染めたい皮や毛を中にいれて、体全体を使い足を使い、一生懸命こねくり押し染めする!
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作業が終わったら体についた染色剤を水で洗い流す(写真左下)。
あれってちゃんと洗い流せるのかな~・・・とガイドに聞こうと振り向いたら、ガイドどっかにいっちゃってて姿見えず。おまえっ、肝心な時にいろよなーー。
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これって本当に何十年も前から続けられているモロッコ文化であり、継承される職人技なんでしょうね。私的にはちょっと感心してしまいました。機械文明が発達し、マンパワーの必要性がどんどん削除されている世の中において、このような技法を守り続けている文化は希少です。
文明が進化するにつれて、これまで必要だったものが不要とされ、消えていくのは寂しいものがあります。便利になりすぎると手間はへるけど人々の知恵や習慣がなくなり、コミュニケーションも消失していく。簡素化は心の空洞化にもつながってしまう。

こういうモロッコの風景は微笑ましくもあり、「なんだか地球の裏側にきたなぁ」とすごく実感しました。みなが一生懸命染色している姿、水をかけ合って体を洗っている姿をみて、今までの旅で感じたことのない感動をかみしめたのでありました。