世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ローマ「バールの風景」

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私がローマに住み始めた頃、学校のそばにあったバールです。
このおじさん(奥)がとってもいいイタリア人で、言葉しどろもどろな私達をいつも温かく迎えてくれました。

イタリアに住み始めた頃はどうもエスプレッソがなじめなくて、
この時はカプチーノばっかり飲んでいたような気がします。

でもご存知でしょうか。イタリアで、カプチーノは「朝」しか飲みません。
なので昼間に注文すると「昼に牛乳飲むなんて子供か!!」と言われちゃいます。

初めは立って飲んでさっさと立ち去るのが全く馴染まず嫌で仕方なかったのに、慣れると全然なんてことない(下手に座る席にいくとボラれるリスクも覚えたし)。

しかし馴染みのバールというものを持つと生活変わります。
朝行けば必ず「おはよー元気?」から始まってとってもおいしいカプチーノを出してくれます。
熱々のが好みなら「Ben caldo, per favore」といえば日本人好みの熱々にしてくれます。
そして焼きたてパリパリのコルネット(クロワッサンイタリア版)!
あま~いお砂糖が表面に塗ってあり、カプチーノとの相性バツグン♪

夜行けば「チャオ元気?今日はどうだった?」から始まり
最高に濃厚でコクのあるエスプレッソを出してくれます。
世間話を少ししてチップをチャリーンしてから
「チャオ、おやすみなさい、いい夜を」
「君もな~!」

たまにはご近所の噂話などもゲットできます。なんたってバリスタはバールの王様。
毎日くるたくさんのお客様と色んな会話をするので情報網はすごい。
それに馴染みバールは当然ボリません。
安心して椅子に座る事もできるけど、バール文化に馴染むと座る行為が居心地悪くなるんです。
だってバールは立派な社交場ですから!

私のローマで一番おいしいと思うエスプレッソを出してくれるバールはテルミニ駅そばです。
残念ながらバリスタのおじいさんは引退してしまいました(悲しい)。
シチリア出身のバリバリシチリア訛りの人でしたが、いつも笑わせてくれました。
ひどい下ネタもよく言いました。
寒い冬には本当に熱くて胸に染み渡るような極上のエスプレッソを出してくれました。
疲れている時も「大丈夫?」と尋ねると優しく微笑んでくれました。

多分いつかまた会う日がきたら、その時は私は泣いてしまうかもしれません。
それくらいあのシチリアおじいさんが好きでした。

もしイタリアに住む事があるならば、ぜひ馴染みのバールを作ってください。
そして積極的に話しかけてください。
ローマは必ず(?)それに応えてくれる場所があります。
こんな時「イタリアっていいなぁ」と思えたりするのです。