世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

底なし丸の冒険

強い雨が打ちつける中、朝早く出かけた。そしてそこから長い航海が始まった。

それは、「底なし丸の大冒険」である。

底なし丸とはけしてタイタニックのようにゴージャスでもなく、イカ釣り漁船のように孤独でもないし、歌で例えるならドナドナみたいな堪えきれない辛さもない。ただ漂流している、どこにでもある船である。ゴッホの絵にでてくるような寂れた海辺の小舟。

舞台は7月15日(日)の、とある同僚の結婚式会場。悪天候とは裏腹に「底なし丸」はイエロー・サブマリンのごとく朗らかに陽気に旋回していく。

まず。
お目当ての沖まで出る前に沿岸近くで最初はまず「フランソワーズ」という名のクロワッサンをしとめた。朝ごはんに食べた。食べている途中で「アンソニーが焼きあがりました~」と遠くで声がして思わず声の方向へ振り向いた。
アンソニーが焼きあがりました・・・・?
次は「キャンディキャンディ」でも焼きあがるのだろうかと、ちょっと怖くなった。なんて残酷な人たちなんだろう。

さて沖にでた。こっからが冒険の本番幕開けである。

・ラングスティーヌのヴァプール サラダ仕立て香草風味
 完熟した有機トマトのヴィネグレット
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「ペロリ」


・淡いポアロのグラデーション トリュフ入りコンソメ
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「ペロリ」


真鯛のポアレ プロヴァンスラタトゥイユタプナード ソースピストゥ
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ピストゥってなんだろう「ペロリ」



・グラニ
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(他の漁船から)えー、これってデザートじゃないの~?
(底なし丸乗組員)違います。お口直しのシャーベットです(と心で言いながら)「ペロリ」



・仔牛フィレ肉のソテ ソースムータルド 夏野菜を添えて
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「ペロン」

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実に美しい彩り。「ペロリ」

・パッションのムース オレンジ風味 ヴァニラアイスクリーム 旬のフルーツとともに

>このボーンチャイナの白ってつくづく美しいな、としばしの間みとれる。
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「ペロリ」

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「ペロリ」

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「ペロリ」

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「ペロリ」

・コーシー
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味わいながら「ごっくん」したあとおかわりもらって再ごっくん。

・プティフール
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「ペロリ」
と思ったでしょう!!!!残念でした(プッ)。奴らの戦法には簡単には引っかからないのも航海の秘訣!なぜなら乗組員はくるみアレルギーを持っているからである。チョコレートケーキとかブラウニーとかは絶対に手をつけない事にしている。今回もちょっと嫌な予感がしたので睨みつけるだけで終わり。くわばらくわばら。

ここまで無事に航海を遂げた漁船は他に見当たらなかった。いや~底なし丸は全てきれいに平らげたのである。非常に満足な航海だった!味も見た目も食器の一つにすら、こだわりを感じる。店の名に恥じぬよう、一生懸命努力している裏方の方々の心意気を感じる。(ついでに言わせてもらえば、全然関係ないけど式の賛美歌隊の歌声がこの上なく美しかった。ソロなんて信じられないくらい素晴らしかった。)

と・こ・ろ・が。
その後更に沖に進み、次なる難関をクリアせねばならない。いや、「ならない」じゃなくて「どっちでもいい」。選択肢は乗組員に委ねられているからだ。その舞台は、二次会という名の新たなる冒険。乗組員はもう荒波に十分もまれたからもういいや、と思っているのに底なし丸はぐんぐん進む。まるでいう事を聞いてくれない意地悪な奴に豹変するのである!「やっこさん、これで終わるつもりかい?(ニヤリ)」

・中華サラダ
・マカロニサラダ(これはかなり辛い航海だった・・・まずい。)
・さつま揚げ
・ちらし寿司
カルボナーラ
・コーシー

遠くで底なし丸の声が聞こえる。「へぇ!見上げた根性だぜ乗組員さんよ。沈没する前に戻るとするか。」

これにて底なし丸の大冒険は終了となった。
はるか昔、一度だけ同じように底なし丸が突然やってきた時がある。あの時も大航海であったが今回もかなり負けじ劣らずすさまじい漂流だった。どうしてかは分からないけど大漂流期がある日突然訪れることがあるのかもしれない。

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皆様も、「底なし丸」がやってきたらぜひ大冒険してみてください。
くれぐれも手荒に扱わずに優しく迎えてあげてください。悪い奴ではありませんし、訪れたら当分やってくることもないのでラッキーなこととご理解下さい。しかも大冒険の後は意外とスカッとしてますから大丈夫です。

さようなら、やんちゃな底なし丸。
もう当分こないでね。