ある12月の半ばに会社が突然「今度の冬休みは9連休!」と言い出したので、急遽パリに行くことに決めてチケットを取りました。大きな目的はニコラ・ド・スタールの回顧展を観に行くこと。4泊5日の弾丸パリは、せっかくヨーロッパまで行くのにもったいないような気もするけれど、もうすっかり行き慣れた場所なので観光客として見るべき場所はもうほぼ見尽くしているし、街も迷うこともないからこれくらいでもいいかなと思いました。
ただし、2024年の2月にはブラジル旅行がすでに控えていたので、周囲の人たち全員に全力で止められましたがコスパ重視で初めての中国東方航空に乗る。羽田発午前便、パリ発午後便という便利な時間帯も魅力的でした。ただ、行きの乗り継ぎ時間が2時間足らず、さらには羽田で出発遅延もしたのでかなり身の縮まる思いをしたけど、そういう乗客のために上海空港で待ち構えてくれていた案内の方々も万全だったし、何なら赤い絨毯の敷いてある上級国民専用レーンみたいなところを通してショートカットさせてくれて空港の中国人はとても親切でした。そして、飛行機はロシア、ウクライナの上空を余裕で飛んでいく。

機内食は中華三昧?と思いきや普通のメニューであまりおいしくもなかったので軽く済ませておいて、パリについてからすぐに近くのスーパーに行って夜ご飯を買う。ハムもチーズもワインも日本の物価に比べたら安い。ワインは500円から1000円レベルが一般的だし、ハムもチーズも日本より安くて量が多くて美味しい。フランスの食に関する日常のレベルが高いなといつも思う。とはいえ、2026年現在は一ユーロ180円を超えているので安さの恩恵はもはやあまり感じないかもしれません。悲しい事です。

今回滞在したのは11区ゴンクール、オーベルカンフという大好きなお気に入りのエリア。テンションあがる!
周辺は大好きなサンマルタン運河界隈があること、オーベルカンフのあたりのカフェやバーやレストランがとにかくカッコよくて洒落ていて、どこか下町の雰囲気もあること、個人商店やセレクトショップが軒並み連なるマレ地区が徒歩圏内であること。この近辺に滞在するのはおそらくこれで3度目かな。
私はおそらく今後もこのエリアにしか泊まらないであろうことを宣言します。
いつもはAirbnb派の私ですが、この時期はことごとくお部屋が空いておらず金額も高かったので、ホテルに泊まることにしました。時間もなかったし、必死で探しましたが結果とてもいいところを見つけました。
地下鉄Parmentierまで徒歩2分、マレ地区まで徒歩10分圏内、周辺エリアはバー、レストラン、スーパー、お菓子屋さん、カフェなんでもあり、とにかく便利な上にお部屋もきれいでレイアウトも使いやすく、気の利いた棚がたくさんあったりしてとても気に入りました。オフシーズンということもあって一泊1万3千円程度でしたのでかなりお手頃ではないでしょうか。一番便利だと思ったのは、左岸(サンジェルマン)へ行くバスがホテルの目の前から出ているという点。これは本当に便利だった!地元民に混じってローカルバスを乗りこなすのはとても楽しいです。ホテルのお部屋はとても狭いけど、それはパリのホテルの宿命なのであしからず。
次回もAribnbを選択しない場合はまたここに泊まろと思っています。それくらい便利で気に入りました。我ながらグッジョブだった。
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さて、翌日初日はオーベルカンフ思い出のカフェ、Carbonへ行って朝食を取る。

バゲットとバターとジャムの定番メニュー。実はこの朝食セット、初めて食べました。だけどバゲットがイマイチだったなあ。せっかくカフェに来たというのに。

もう何遍も語り継いできたので耳タコかもしれませんが、しつこくまた書かせてください。
ここは私が初めてパリを訪れた時にお部屋を間借りさせてもらったスッチーさんが連れてきてくれたカフェです。当時ローマからロンドンに住まいを変えて流れ着いてきたけれど、こんな美しいカフェをそれまでみたことがなかった。夏のある日の昼下がり、人々はオープンテラスでおもいおもいにくつろぎ、古いカフェの建物は昔ながらそこに佇み、生活の一部として一体化している風景、文化。その美しさを見て胸を打たれました。きっと一生忘れないと思う。

さらには古めかしくなるどころかパワーアップしている気もする。前はこんなカラフルな電飾はなかった。

ここで食事をしたことがないので味は分かりませんが、カフェだけでもとても過ごしやすい空間だから絶対おすすめ。この日は朝早いから空いていたし、実際に目で見てみるとこのカフェのかっこよさをわかっていただけるのではないかと思います。
メトロ、Parmentierパルマンティエから思い出のArts et Metiersアール・ゼ・メティエへ移動します。

アール・ゼ・メティエは2010年に来た時に滞在したアパートがある場所。
昔泊まったアパートはもうオーナーが変わったようで、もう泊まる事はできません。そういうケースは本当によくあります。

Airbnbなんて存在していない時代から、私の旅は常にアパート滞在がメインでした。
駅から2ブロック。2010年に旅した頃に滞在したアパートがある通り。

ネットで調べてわずかな選択肢の中から選んで大家さんに直接コンタクトして、ネットがない時代は言葉がわからなくても何とか電話で交渉したりしてたんですから、やっぱ昔はたくましくないと生きていけませんでしたね。
この駅はメトロの路線が2つ乗り入れていてそれぞれホームが異なります。
今回はこちらのホームに辿り着きました。

もう一つのホームはこちら。産業革命かなんかがテーマなのかと思っていましたが、潜水艦をイメージしているらしいです。

この写真を撮りに行くためだけに降りるのも価値あり。

さて、地上に出ます。このあたりは人が住むような場所ではない気もするほどのパリ中心部です。しかしながら、駅の周辺は一歩入るとインド料理や中国人の仕入れ問屋が多く、少しだけ異国情緒漂う場所ですが治安は全く問題ありません。

私ですね、この駅を出て地上に上がる時、ものすごく郷愁を覚えるんですよ。ぱっと差し込む太陽の光とか、あの交差点の雑踏とか、向かいの角にあるカフェとかね。ここも一生忘れないと思う。
誰でもそうだと思うけど、自分が地に足つけて過ごした場所って特別。その記憶がどんどん遠くにいくほどに思い出はどんどん色濃くなっていく感じがしますよね。ここもそんな場所。
パリはもう何度行ったかもはやカウントできないですし、新鮮味はもしかすると以前よりなくなっていくかもしれないけど、好きなものやお気に入りは逆に研ぎ澄まされていくような感覚がします。
(近頃イスタンブールがパリと同じくらいそれに近くなってきているような気がする笑)
わざわざ遠回りしてノートルダム寺院へ向かいます。なぜかというと、ここからセーヌ川に向かって歩く朝の風景が好きだからです。
ああ、パリに行きたくなる。
レ・アール。市庁前広場はちょうどパリオリンピック2024の装飾がされています。

BHVは日本でいう東急ハンズ高級版。何といってもこの建て構えが圧巻で、市庁舎と並んでこの広場の存在感を作り上げています。

ここは雑貨もバッグも洋服もそれなりに掘り出し物がある時があるので、近頃は必ず立ち寄るスポットの仲間入りしています。前々回かな、買った巨大なエコバッグを今でも愛用していて、コートやお布団をクリーニングに出す時の袋として大活躍中。

ピリッと寒そうな朝の感じがしますでしょう?

今回の冬の度はいつも晴天に恵まれて本当にラッキーでした。

ノートルダム寺院は2024年当時まだ火事の修復中でした。


それにしてもとんでもない事件でしたねあの火事は。

泣きたくなる惨状。

まるで地獄絵巻。

教会は必ずメインの祭壇は東側に、向かって正面の入り口は西側に建てることになっています。この写真を見ても分かるように、ノートルダムの背後から太陽が昇っているという事はまさにそれを象徴していますね。中央祭壇は東側にあるので、朝はスタンドガラスが太陽に照らされて美しく後光が教会の中に差し込む仕組みです。

火事の件ですが、あとから考えてみれば大手企業がスポンサーになってくれて復興までに巨額の寄付金を惜しみなく出してくれたから、ノートルダム関係者にとっては最終的に丸く治ったのかもしれません。ノートルダムもちょうど修復するいいきっかけになったのかもしれませんしね。また、教会内に保管されていた宝物や絵画などは無事だった、と聞いていますからそれも不幸中の幸い。当時火事に立ち会った教会関係者の方々が命懸けで守ったと聞きましたから、いつかあの世に召される際は、きっと恩赦で煉獄スキップして一気に天国にいけるはずです!!

ノートルダム寺院の修復は今や完全に終わり、入場は予約制になっているとのこと。


ノートルダムのあるシテ島から左岸に向かう景色の抜け感がいつも心地よい。

パリの変わらないセーヌ川の風景。

対して右岸の向こうに見えるカラフルな建物はおなじみポンピドゥセンター。
私は好きな風景ですが、やはりこの古き街並みにそこだけ異彩を放っている感じがする。パリはよく許したよね、このポップな建築を。

右岸に戻って、この日はパリっ子に大人気だというPoleneというバッグ屋さんの下見に行ったのですが、開店前から行列が並ぶというのは本当で、しかも私の欲しいかたちは発売前だということで買うことができませんでした。
(っていうか、買えるかどうかもわかりませんでしたが)
今は円安でもっと値段上がっています。。もう無理だ。

お店の写真撮ってなかった。
中国人が店内で爆買いしてました。
羨ましい。
気持ちを新たにマレ散歩。


今回の旅は「マレを制覇せよ」というミッションを自分に課しています。だから徹底的に歩き倒します。





前回2017年冬にパリに来た時は、お天気もどんよりしていて暗くて寒くて、気持ちも落ち込みました(ドア時間もあったし)。レストランやカフェで上着も脱いだり着たりもめんどくさくて、「冬に旅をするのはもうやめよう」とあれほど固い決意をしたのに、こうやってまた冬にやってきました。

今回は毎日のように晴れてくれて、気持ちが上がる。中国東方航空だったけど来てよかった。

ウインドウかわいい。日本人が大好きなバレーシューズ、レペットのウインドウですよ。

ある建物に入る。なんかすでにかっこいいんですけど。

かっこいい。

かっこいい。

このすぐそばにあるこの円錐状の屋根のついた建物、好きです。前に来た時も写真撮った。

ランチは散々悩んで結局前に行ったことがある、Les Philosophesにしました。

冬の定番、オニオングラタンスープ。チーズとろり、煮詰めた玉ねぎの熱々スープが絶品ですね。

ビーフブルギニョンもフランス料理の定番。

ランチコースにしたのでデザートもついてきた。カスタードって書いてったのに添えたフルーツがてんこ盛り、ありがとう。フルーツ大事だから助かる。カスタードはアイスのことか。寒い日だったからどうせならケーキとかプリンの方がよかった。

ここはいつ行っても地元の人たちで混んでるお店。前もそうだった。
でも味は普通です。
ランチコース(2品+デザート)で37ユーロ。コーヒーは別だったような気がする。
それにしてもフランスのレストランってなんであんなにテーブルとテーブルの隙間が狭いんでしょうね。コートがある冬場は荷物もあったりすると本当に大変。貴重品から目を離さず肌身離さず持って置けるように、小さめの肩掛けショルダーバッグは必需品。カメラは絶対に肩に下げるとか腿の間に挟んでナプキンで隠すとか、絶対に体から離さないように。これはフランスだけでなくどこの国に行っても鉄則の決まりごと。レストランやカフェのスリなんて日常茶飯事ですからね。
さて、それではMerciのパトロールに行きます。

Merciのすぐそばにあるキッズ専門店のウインドウかわいい。

ちなみに、Merciのすぐ脇にあるRue du Pont aux Chouxという通りは必ずチェックします。
小ぶりながらセンスのいいセレクトショップが並びます。
以前ここで韓国人のデザイナーのブティックがあり、そこでお洋服を買った思い出があります。

ちょうどセール時期だったのでMerciは大混雑。


実は私、数年前にオンラインでMerciのベットリネンを買いました。
大変快適で心地よく丈夫で色落ちもせず、一年中気持ちよく使うことができてかなり大満足しています。ちょっと高めですのでセールが狙い目。やっぱりリネン(麻)のクオリティが全然違います。いついくかわからないけど、次にフランス行ったらシーツ買い足しすることに決めています。重いけどがんばるぞ!

Merciがパリで有名なセレクトショップとして発信し始めてもう15年くらい経つのかな。当時はサントノレ通りにあった伝説のお店「コレット」というセレクトショップの先駆けみたいなお店が閉店することになり衝撃が走ったのですが、それに変わってこのMerciが立ち上がりました。場所は北マレのSaint-Sébastien - Froissartというエリア。これによってマレの認知度がもっと上がったような気がします。

Merciは雑貨、インテリア、ファッションなど様々なアイテムが揃っています。何より楽しいのは入ってすぐのメインエリアのインスタレーションがよく変わり、それがなかなか奇抜でおもしろいので「今はどんなものがディスプレイされているのかな」という楽しみがあります。そういう意味ではボンマルシェのエスカレーターホールと似てる。
さて、ちょっとメトロに乗って軽くひとっ飛びします。


ちょっと忘れたけどこの後レプビュリック広場に移動しているということは、多分最寄りのモノプリに行ったのだと思います。

カフェで休憩。エスプレッソがめちゃうまいっす。

たまたま通りかかったお店で足がピタッ!!!!と止まる。

ガレット・デロワだ。
しかもガレット・デロワしかないと言っても過言じゃないほどガレット・デロワ推し。
買う。

言ってもいいですか。
信じられないくらい美味しかった。前回の時からすっかりハマり、日本でもいろんなものを試していますが、本場フランスにはかなわない。ここ、おすすめ。次も絶対行く。
町はセールで大賑わい。

近所のケーキ屋さんのクオリティが本気すぎる。

本屋さんもかっこいいしさぁ〜。なんなのパリ。

ワンちゃんもちゃんと躾けられてるしさぁ〜。

というわけで、初日のパリは終わりです。

楽しかった。
ホテルに帰って夜ご飯は、昨日の残ってるハム、チーズとワインをパンと🥖一緒に食べたような気がする。