そもそもメキシコに関する著書というのが圧倒的に少ないのと、メキシコは必ず再訪する予定なので、こういうのを見るとつい手に取ってしまう。

これは大人のバックパッカーの話。
長い間勤めていた会社を辞めた男性と、カメラマンの男性二人旅のメキシコバス旅行だ。
読み落としたのかもしれないけど、旅行の目的がいまいち分かりにくく、なぜ危険を冒してまでアメリカ移民を追いかけているのかわからない。しかもメキシコ国境のマフィアゾーンを勇敢に歩いたりしていてかなり怖い(良い子は真似しないでほしい)。だけど、観光地にはないありのままのメキシコを読み進めながら、「ここも昔から何も変わってないんだろうな」ということがよくわかった。私がメキシコやブラジルを歩いていると、何度も「郷愁」を覚えることがあるのは、当時住んでいたイタリアの雰囲気にとても似ているからだ。腐敗した政治、救いようのない警察、良くなるわけもない治安、賄賂とコネ、いい加減な情報、無関心な国民、規律のない社会。
それらを懐かしく思い出すからだ。
よく知っているそのような風景を。
一ヶ月のバックパッカー旅行は、巻末でも述べているようにカメラマンの取材旅行でもあり、この本はその裏側の日常を綴っているようだった。飾らない、遠慮もない、ありのままの文体は好感が持てたし、文章がとても読みやすくお上手だったのであっという間に読んでしまった。また別の作品があれば読んでみたいと思う。
メキシコは本当によいところだった。
もちろん相性はあると思うが、私にはたまらない魅力的な国だった。
観光地として見所は満載だし、意外と人は控えめな人が多かったし、個性的な建築、インディオ、民芸品、宗教、カラフルなアート、古代文明、とうもろこしの粉と豆に辟易したメキシコ料理などどれもこれもが新鮮だった。乾いたような風景も胸を打った。
ここ数年ずっと南米、中南米ばかり旅しているのは、けしてユーロ高のせいでだけではなくヨーロッパはもう行き尽くしたというのもある。いくつになってもヨーロッパはきっと楽しいと思うけど、南米、中南米は少し手強い。そして、毎回想像を超えて楽しい。だから、勇気と体力に余裕がある今のうちにもっと行きたいと思う。



















