コロナが明ける前から最近は中南米まで足を伸ばすようになったが、ヨーロッパもトルコも中南米も、みんな救いようのない携帯依存症なのではないかと感じる。日本人とか比にならないくらいみんな下を向いていて、前を見てる人がとても少ない。あと、本を持ち歩いて読んでる人もいなくなった。昔空港はそこらじゅうに時間を潰すために本を読む人が多かったというのに、今はみんな携帯で読むのかまたはネットサーフィンしてるのか。つまらない(と言ったら申し訳ないけど)誰かのSNSをぼーっと見る時間がどれだけ自分の時間を蝕んでいるかなど、考える余地もなさそう。誰かへの依存心が強めの人にとっては、それももはや日常となっているのだろう。
「日本人はみんな電車で携帯ばかりみていて静かで怖いから帰国すると違和感かんじる」というコメントを別のところで読んで、それは日本だけじゃなくむしろ海外の方が顕著だけどなぁ、と思った。みんな自分の携帯に夢中過ぎて他人のことなんて関心もなさそう。
窓から流れる景色をみたり、どこかの知らない国の言葉に耳をそっと傾けてみたり考え事したりするような、生きていく中での余白を大事にしたいと思う。
それが瞬くものだったとしても、その瞬間に私たちは感動したり胸を打たれたりする。しかし、日々瞬間に流れていくインターネットの中にはなかなか見つけにくい。同じ瞬間の出来事でも、それは全く種類の異なるものであり、リアルな世界にあるからこそ説得力を持つのだ。五感とは体現することで触発されるものであり、バーチャルではなかなか発揮されないものであるから、顔を上げて目を開いて、耳をすましてこれからも前を向いて歩いて行きたいと思った。