世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

和田誠展2021

 

 

和田誠さんがお亡くなりになって最初の大展覧会が2021年に新宿のオペラシティアートギャラリーで開催された。

 

 

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これは和田さんのイラストレーション全ての作品が展示されるとあり、ずっと楽しみにしていた。

 

 

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今までいろんな展覧会や回顧展を観てきたけど、オペラシティのアートギャラリーとはこれまためずらしいところでやるんだなと思ったし、ここに足を運んだのも初めてだったけど、正直レイアウトがいまいちなので鑑賞がしにくい。

 

たとえばこのように細長いスペースに柱が立ってあり、その柱の四方には和田さんの活動記録が時系列に解説されているのだが、それを読むためにはこの柱を一本一本ぐるりと回らねばならず、それが非常に不便だった。

 

 

 

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また、作品数が膨大なので全て原画を展示するのは難しいというのも理解はできるのだけど、過去の小さな作品ですらプリントのものが多くリアルな作品に触れることができないというのが残念だった。楽しみにしていた図録も実際も少しイマイチだったので買うのもやめた。

 

そんな不満はちょっと置いといて、和田作品はやはり不滅。

 

 

 

 

 

 

似顔絵がすごいお上手なのは言わずもがな。

 

 

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映画館のポスターなんかはもうシビれるというか、こういう活字のみのポスターを自由に作れた時代ってことなんだと思う。今はもう配給会社からがんじがらめで死んでも無理だろうし。

 

 

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このポスター群だけでも画集が一冊できそう。

観ていて全く飽きなくて、そんなふうに「ポスターがおもしろい」って思っている時点でもう和田さんの勝ちだ。

 

 

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むかし叔父がいつも小さい私に「タバコをかってきてくれないか。ハイライトだぞ!」とおつかいに出されたので、このパッケージは本当によく覚えている。こんなところにも和田イズムが散りばめられているというは本当にすごいことで、人々の生活にこんなにも根付いたイラストレーターは他にいるのだろうかと今でも感心してしまう。

 

 

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大好きな週刊文春の表示シリーズ。

 

 

 

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こんなふうにずらっと並ぶと圧巻なだけでなく、和田さんはちゃんとジャンル分けして作品を作り続けていたことがよくわかる。それは、季節、動物、食べ物、習慣、風習、乗り物、植物、静物、人物、動物などに分類されている。そのシリーズがこのパネルのあらゆるところに散りばめられているので、表紙単体を見るよりもこの集大成そのものが芸術作品だと思う。

 

 

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また、「和田文字」も同様に味があって観るのが楽しみなものの一つ。

 

 

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私が大好きな映画「ローズマリーの赤ちゃん」のポスター。

 

 

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これは音楽のポスター。映画だけでなく音楽にも造形の深かった和田さんならではの世界観。

かつしかシンフォニーフィルズのポスターはずっと和田さんが専任だったみたい。

 

 

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このあたりは舞台やお芝居関連。

 

 

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かっこよすぎ。

歌劇「領事」のポスターとか、かなり興味引かれる。

 

 

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お店のロゴ。

 

 

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企業ロゴまで!

 

 

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和田誠さんと村上春樹さんが随分前にジャズの本を2冊出したとこがあった。その本に載っていたビリー・ホリディの原画を偶然入った赤坂にあるジャズバーで見つけた時は衝撃で、ママに聞いてみると以前そのお店が原宿にあった頃は、近所に事務所がある和田さんが常連だっというゆかりの深いお店だった。

 

去年BRUTUSの音楽特集でそのお店をみて、平野レミさん(和田誠さんの奥さん)がママのKさんと対談していた。

 

 

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このお店はどちらかというとシニア客層が多くインテリアもどちらかというとカントリーテイストなのでかっこいい雰囲気のお店が好きな人には不向きかもしれないけど、ママがとにかく優しいしリクエストも嫌な顔一つせず聞いてくれるのでおすすめ。昼間は「無愛想な弟がやってるのよ」とのこと。まだお店やってるのを知って、なんだかとてもホッとする。

 

-ボロンテール- 赤坂 JAZZ BAR

 

 

 

 

そういうあったかみのあるつながりというか、和田さんというのは不思議な魅力があったから誰からも愛されたのだろうと思う。

 

 

 

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これまでの和田展で一番良かったと思う過去の記事を最後に載せて今日はおしまい。

 

 

beabea-journey.hatenablog.com