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青春映画といえば「リアリティーバイツ」で終止符を打っており、イーサン・ホークやウィノナ・ライダーに憧れたり、主題歌を歌ったリサ・ローブはかれこれ3度くらいライブまで観にいくほど筋金入りのファンなのだけど、そういうの全部ひっくるめて青春が詰まっている(個人的には)最後の映画だった。だからこの映画を観るには気が進まず、しかももう自分もティーンエイジャーに憧れる歳でもないし、まず無理だなと思ってスルーしてきたけど、先日観たドラマ「コントが始まる」を観て、年代設定ってあんまり関係ないのかもという悟りを開き、重い腰をやっとあげてみた。
正直、クオリティの高さに驚いた。
めちゃくちゃおもしろかった。
誰にも染まらない、染まりたくない、染まれない。そういう一般的な枠から外れた人たちの明るくて観ていて大きな力が湧いてくるような友情物語だった。そういう映画ってちょっと久しぶりだったかも。また、主人公の誰にも言えなかった過去は大変衝撃的だったし、実はあまり映画では詳しく触れられていないのでぜひ原作を読んでみたいと思う。
映画の日本版トレイラーがちょっとダサいのが残念。
主役のローガン・ラーマンがかなりいい役者だった。どこにでもいるような教室の隅の少年を応援したくなるように印象づける素晴らしい演技だった。
続いて青春映画といえばマドンナが必須だけど、エマ・ワトソンがまさに適役。やはりこの手の映画は特に万人受けするような印象のいい実力のある役者がやらないと、観る者を賛否両論にさせて台無しになってしまうから配役って大事だなと思った。
ちなみに調べてみたらこの監督Stephen Chbosky は原作「The Perks of Being a Wallflower」の著者本人とのことで、原作者がメガホンを取るというのは大変珍しい上に、なんとなんと、涙腺大崩壊してしまった「Wonder」の監督だった!次回作はアメリカで今年2021年「Dear Evan Hansen(原題)」が公開予定。これもハイスクールを舞台とした青春映画で、もともとミュージカルの映画化らしいけど、この監督は「RENT!」も映画にしているのでお得意の分野の集大成?ということで、「ウォールフラワー」にすっかり魅了された私としては今から日本での公開が待ち遠しい。
それにしてもアメリカのハイスクールは映画やドラマの中でしか知らないけど村八分社会がすごくて、、、そういうところに放り込まれたら、私などはすぐにいじめの対象になる自信あり。
でも、どこに行っても優しい人は必ずいて、必ず手を差し伸べてくれる。
一匹狼と言いつつ、私もそういう人たちにいつも救われてきたような気がしている。
だがしかし、ある程度の自己努力もやっぱり必要だと思う。