さて、グアナファトにはもう一つ行かなくてはならない場所があります。
それはイダルゴ市場です。
この市場は確かもともと駅だったのを市場にしているそうで、かなり大規模な屋内市場となっておりました。しかもこの建物の周りにも屋台がひしめき、人の往来がすごいです。スリに合わないようしっかり貴重品を管理しながら歩く必要がありますが、危険センサーは全く作動せずとても穏やかな雰囲気が漂っていました。
メキシコはとにかく水がダメなのですが、おトイレ事情は割と充実していていたるところに公衆トイレがあります。有料ですがその分清潔です。
この通りにも地元のおばさんと思しきご婦人がずらっと並んで屋台を出しています。
イタリアに住んでいる頃もそうでしたが、ここもきっとみんなめいめいお気に入りの屋台があって、地元の人は行きつけの屋台で野菜や肉を買うシステムだと思います。私は当時、いつもバングラデシュの不法移民がやってる屋台で買ってました。不法滞在者が勝手に道端で商売やってる時代でした。私だって(不法ではないけど)所詮は流れ着いてきた外国人に過ぎなかったし、どちらかという貧しい外国人と貧しいイタリア人が住む吹き溜まりみたいな場所に住んでいる時期だったのでなんとなく同じ外国人同士の不思議な連帯感みたいなのもあって、悪いことをされたことは一度もありませんでした。
そんな吹き溜まりの界隈にもクリスマスがやってくると、偽物を売っている時計屋でもクリスマス用のウインドウに様変わりし、泥棒が集まる安食堂は人で溢れかえり、街角にはいつも以上に売春婦がタイトなミニスカートを履いて並び、電話ボックスは故郷に連絡する外国人で溢れ返り、ドラッグで朦朧とした半浮浪者がウロウロし始め、名物ピロピロおじさんはいつものスーパーの前でビールを豪快にピロピロ飲みし、鳥の丸焼き屋さんでは鳥が何羽もくっついて全力で回し焼きされていて、いつか食べてみたいなあと思いながら我慢して素通りし家に帰るのでした。家では今は亡きRさんがご馳走を作って待っていてくれ、私はスーパーでパネットーネを買ってささやかなクリスマスのお祝いをしながら、漠然と行き詰まりを感じていたような気がします。毎日ただやり過ごす日々と、夢も希望もかき消されておぼろげになっていく灰色の冬に。
メキシコを歩いていると、やっぱりあの頃の郷愁を感じさせられることが多かった。そして今は必然的に変わらざるを得なくなってしまったイタリアとは別の、メキシコならではのアイデンティティーを感じ、デジタルの時代に依存しない古き良き時代がまだそこにはあり、衰退せず生活に根付いている。
メキシコを好きになった大きな理由はそこかなと、思ったりもします。
じゃあ中に入りましょう。
入ってすぐ正面の階段踊り場に切符窓口のような祭壇?があります。
幼いキリストを抱いたマリア様がてっぺんに鎮座。
ここの市場で買い物魂に火がついて、いろいろ買い物をしてしまいました。
何を買ったかはまた後でお披露目したいと思います。
よく見ると生ジュース屋さんも兼ねてますね。
あの銀色の重たいやつで果物を一気に潰しコップに入れます。正真正銘果汁100%です。
(こっそり水を混ぜてなければ)
これは別の果物屋さん。大きさが半端ない。
スイカの断面図ディスプレイがフリーダカーロの絵そのものです。
精肉店。臭いが強烈です。
毛をむしられた鳥が丸ごと売られています。閲覧注意。
八百屋さん。
食堂やスパイス店らしきものもあります。かなり大規模です!
駅舎の名残、言われてみれば確かにありますね。
勝手な想像ですけど電気が貴重(あるいはない)時代はこういう自然採光を取り入れる設計が多かったのだと思います。今でも電気なくしてこれだけ明るいのですからエコですよね。
壁の側面に大きな窓を作るアイデアは教会とおんなじ。
市場は閉まってるお店も多数。
週末メインなのかなあ。
市場が屋内にあるのは立派な方ですが、メキシコはこのパターンが多かった気がします。
二階は衣料品店と雑貨店。
全然売れてない雰囲気丸出し。
でもね、こういう場所では街中で売ってるお土産物を安く売ってる可能性大。
同じものでも値段が全然違う。
近寄ってみると案の定、欲しかったうちわが安く売ってある。
超やる気がなくて「お願いだからよっぽどのことがない限り話しかけないで欲しい」と言わんばかりの店員さんに値段交渉するも即座に「NO!」と断られる。
(でも結局一個おまけして値引きしてくれました)
タスコでも見た揚げせんべいみたいなのが屋台においてあります。
こういうところでいろいろメキシコローカルフードを試して見たかったなあ。
次にメキシコに行くときはどんどん挑戦しよう!。。。かな。
いろんな面でなかなか勇気がいるけれど、人が集まってるところは逆に安心です。
チーズが大きい!
市場を出ます。
途端に周辺の食堂から呼び込みがかかります。
ちょっと時間が早いのでまだ人はいません。
スペイン語をなんとか読み解くも、肉入りスープ、ブリトーしかわかりません。
わーー!レトロでかわいいーーーー!!!
買ってくればよかったなあーーーーこのPOP POPってやつ。
なんだろう。光るブレスレット?
いや〜半世紀も時代が止まっているような気がする。。。
そこがメキシコの良さなんですけどね。
まだ街歩きは続きます。