さて、タスコ観光も大詰め。
(山頂にあるキリスト像を見つけてみてね)
このあとは街を少し下ってみます。
これもメキシコの地方ならではと思うのですが、建物はほとんどが低層階です。
ほんっとに絵になるねえ〜。
この瓦屋根みたいなのも地方の特色なのかも。
サンクリストバルもこんな感じだった。
と、キョロキョロしながら歩いていると「日本」という文字を発見。
ショーケースにのり巻きとたい焼きが置いてある。
こんなところになにゆえ???
と立ち止まって見ていたら、奥から「どうぞ寄ってらっしゃい」という声が聞こえてきて、みると一人の日本人男性がいました。タスコで、というかメキシコを旅行していて日本人に会ったのが初めてだったし日本のお店を見たのも初めてだったのでビックリして一瞬固まる。
「よかったら休憩して行ってください、飲み物を出しますから」と言って頂き、こんなところで日本の方にお会いするが嬉しくてお言葉に甘えることにしました。
M氏はもう長い間タスコに住んでいるんですって。もともと銀が盛んな時代にリタイアした日本人をこの街に住ませるビジネスをしようとしてメキシコに来たのだとか。でももう銀は衰退産業で全く儲からず、今はこうやって日本食を作って売っているそうです。
メキシコいいところですね、気に入りました。
「まあでも治安面は良くないよ。いろいろあるしね」
この辺は雪は降るんですか?すごい坂道だったので。
「一年中割と安定しているので雪は降らないよ」
「でもねえ、つい最近はこの町の付近で20人死んだね。物騒なんだよマフィアがらみで。とにかく争いが耐えないから。俺たちみたいなこの街に住んでる人に危害はないしこの人たちも害はない。だけど物騒だよ。カメラも気をつけてね」
コーラをご馳走になり(やはりメキシコといえばコーラが定番)、しかものり巻きをタダでくれるといい出したのでお金は払いますいやいやそれはいいから持って行っていえいえそれは申し訳ないですを何度も繰り返した後結局お言葉に甘えることにして、じゃあお礼に何か日本風のものをあげたかったのだけど、あいにく飴しか持ってませんでした。でもこの飴、ただの飴じゃなくて小さい金太郎飴みたいになっていて小粒なのに味がしっかりするから、こんなので申し訳ないですが、、と申し出たら「え〜嬉しいな。日本のものはなんでもおいしいからすごく嬉しい!」と笑顔で微笑む姿を見て、きっとしばらく日本には帰ってないのだろうなと思いました。
郷愁というのは、生まれた土地を離れて一人で生きる事を決意した時に感じるものではなく、「もうそこに自分の居場所はないのかもしれない」と思った時に初めて感じる悲しみの事を言うのだと思う。M氏ももしかしたらそうなのかなってちょっと思った。
長い間海外に住んでいる日本人にもいろんな人がいます。カタギの人もいればそうでない人もいる。でも私は単なる通りすがりの観光客。そんな私に優しくしてくれたM氏には素直に感謝したいと思いました。
のり巻きを大事にバッグに入れて、M氏になんどもお礼をしてお別れをし、バスターミナルに行く前の最後の町歩き。
あるお土産やさんに入ったら、、、すごい!圧倒されるマスクの数!
店番のおじさんがいて、明かりをつけてくれました。
これまでオアハカ、サンクリストバル、メキシコシティと歩いて来ましたが、この民芸品は初めて見ました。メキシコって地方によってお土産の特徴も本当に変わるんですねえ!
銀以外にもあるじゃないの、立派な芸術作品が。
これ、なんでお面が有名なんですか?と聞くと、
「うーん、なんでだろう。ただのお面」とのこと。
期待はずれの回答。
とはいえご当地モノに弱い私は散々悩んで一つ買いました。
今も部屋に飾ってます。
メキシコで買ったものシリーズは旅行記が終わった後に一気にアップする予定です。
このお店、品揃えも豊富で質の良さそうなものばかりあったのでタスコで民芸品を買うならぜひここオススメです。
ショップカード。
本当はどこかカフェでお茶する予定だったのですが、時間がなくなったのでやめました。
冒険心をえぐり出すように刺激してくれたタスコの街。
日帰りだったのでほんの一部しか見れてないと思いますが、十分満喫しました。
いい思い出しかないです。
さあ、帰ります。
バスターミナルまでの道を頭にきちんと入れて歩いて来たので、迷うことなく元来た道に戻りました。
20分くらい余裕を持って早めに来たら、定刻通りにバスが来て定刻通りに出発。
バスの座席はもう予約してあるのでスムーズに乗り込みます。
一等車なのでまた水とおやつをもらいました。
乗り込むとレザー調のリクライニングチェアでした。
テレビもありました(つきませんでした)。
WiFiもありました(使えませんでした)。
あ、そうそう、メキシコのバスって運転手さんとの間に扉があって簡単に出入りできないようになっています。これっておそらくですが、テロや山賊に襲われたときの客席を守るための扉なんじゃないかな。だとしたら、運転手の近くの席は危ないかもしれないですね。
すごい高級感漂ってますよね、バス。空いてました。
タスコ、さようなら。すごい楽しかった。
山肌に張り付く街並みをバスの窓から見た時も、いい予感しかしなかった。
一歩離れると山間部。
一眠りして目を覚ますとメキシコシティに戻って来ている。
あの遠くに見えるカラフルな街並みを行きのバスでも見かけて、あれは一体なんだろうと気になりました。実は飛行機の上からも見つけて不思議に思っていました。
家に帰ればすっかり暗くなり、まずシャワーを浴びてスッキリしてからM氏から頂いたのり巻きと日本から持って来たほうじ茶を入れて夜ご飯。
これがですね、めちゃくちゃ美味しかったです!
タスコに行ったらぜひ通りすがって欲しい、M氏のお店!
メキシコに入ってこの頃一週間が過ぎた頃。こうやってほっつき歩いて無事にアパートに帰ってくると途端に安堵感がいっぱいになってとてもリラックスできました。外ではこの日もガンガンにバーの音楽が響き渡り、広場は露店や人で夜遅くまで賑やか。気づけばメキシコにすんなり馴染み始めている自分がいました。