世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

いくつになっても、旅する人は美しい/桐島洋子

 

行きつけの本屋さんのセレクトショップで旅特集をしていてそこで見つけた本。

 

 

f:id:beabea-journey:20200919100333j:plain

 

 

桐島洋子さんよりもお子さんの桐島かれん、ローランドさんの方が聞き親しいのですが、お母様の洋子さんってすごいおもしろい方なんだなって思いました。

 

シングルマザーで3人のお子様を育てただけでなく、フリーのジャーナリストとして世界を飛び回ったご経験もおありで、そのあと作家になられていろいろなエッセイを書いてらっしゃるようです。さぞかし旅もゴージャスかと思いきや、洋子さん自体はそこまでラグジュアリーを追求するわけでもなく自由奔放に気の赴くままあちこち歩くのがお好きなようでちょっと意外でした。

 

この本はそんな旅の小さな小話やエピソードが簡潔にまとめられていてとても読みやすいです(私のブログとは大違い)。かと言って何か心に残る旅の話があったかと思えばそうでもない(すみません)ので、つまり「何度でも読み返せる気軽に読める楽しい本」なのであります。

 

 

 

「年をとってこそ見えてくるものがある。若い頃の旅ももちろん楽しかったが、今の方がずっと物心ともに豊かだし、人生の貴重な残り時間ということもあって、旅の時間が宝石のように輝くのである。それに旅を終えて帰国するとやっぱり日本はいいなあと思い、帰宅するとなんといってもウチが一番と思うのだから、旅行を裏表、無駄なく楽しめるわけだ」

 

 

うちのマンションの同じフロアに推定年齢75くらいのおばあさん(仮名Oさん)がいます。Oさんは旦那様を先立たれたようで現在は一人で暮らしていますが、私がここに越してきてからやたら気に入られて会えば完全に捕まって長話をしてくれます。でも自分の気がのならなければ挨拶をしても無視をするという老人特有のワールドを持っていますが、そんなOさんは毎年一度はパリに旅行に行くんです。歩くのもヨタヨタな亀の歩みのOさんが、一体どのようにして成田に行き、中華航空で上海だか敦煌だか知らないけどどっかで乗り換えてパリに辿り着きホテルまで到着するのかが私には皆目見当がつかないのです。空港ではもしかするとハンディキャップの方専用の車に乗せてもらってターミナル移動してるのかなあと思うし、そうであってほしいと思います(そうじゃないと間違いなく飛行機に乗り遅れる)。

 

 

Covid-19もなんのその。

そんなOさんにこの桐島洋子氏の言葉を送って今日は締めたいと思います。

 

Oさん、あの旅話が妄想だったら怖いな。