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これほど母性本能をかき乱しまくる映画は「クレイマー・クレイマー」以来。
遺伝子異変で顔が変形して産まれてきた子供の話、いわば「現代版エレファント・マン」でした。
エレファント・マンは大人でしたが今回は子供。しかもエレファント・マンと異なるのは、ずっと自分の容姿を隠してきた宇宙飛行士のヘルメットを外して、近所の私立学校に通う決意をするところが偉すぎるのです。子供は残酷なので当然イジメにあうし傷つきます。でもやがてお友達が増えてみんなに好かれるようになったところでよかったねえーーーーーと泣けてくるのでした。
現代は価値観が多種多様化してきているので様々な差別や偏見は昔に比べたら大分なくなってきているかと思うけれど、逆にそういうカテゴリーに分類されない人たち(今回のような奇形児など)に対する人権も忘れちゃいけないと改めて思いました。
「彼の見た目は変えられない。だから私たちの見る目を変えていかないとならない」
イジメをした男の子に校長先生が言った言葉が印象的でした。
お母さんもお父さんもお姉ちゃんも友達もいたずらっ子もそれなりに悩みを抱えて生きてるけれど、それぞれが少しずつ殻を破って前に進もうとするひたむきな姿にとにかく母性本能をこれでもかとえぐり出され、終始涙腺崩壊しまくりました。
そう考えるとデヴィット・リンチの方は孤独だ。エレファント・マン!
追伸:オーエン・ウィルソン、安定感ありました。