思えば遠くへ来たものだ。
キューバからメキシコにたどり着いて「やっと下界に戻って来た」と、思わずつぶやいたオアハカの夜。あれから約一週間が経とうとしていたけれど、それでもキューバショックはわりと長いこと尾を引いていて、気づけばあんなに恐れをなしていたメキシコは毎日安堵感に包まれるという思いもよらない心の拠りどころとなっていました。
バラガン邸で静かな感動に浸った後、今度はメキシコシティでもっともおしゃれなエリアと言われているローマ地区に移動します。
つい最近「ROMA」という映画があったかと思いますが、その舞台となった界隈です。まだ観てないのですが、間もなくNetflix導入しますのでその時に観てみたいと思います。
ここはカフェやバー、レストランがひしめき合っているらしいので、あてもなく気に入ったところに入ってみたいと歩いていたら一軒の建物が。
このお店、一棟まるまる本屋さんかと思ったらレストランも併設していたのでここにします。
ついでになんかおもしろそうな本がないかちょっと探してみたら、ポール・オースターの「シティ・オブ・ガラス」メキシコ版を見つけました。
ポール・オースターはハズレがないので必ず毎回買って読みます。大好きな作家です。
最近は訪れてみて気に入った町の今昔物語みたいな写真集を買う傾向があり、さっそく探してみるも残念ながらここにはそういうのは置いてなかった。また、近頃のモダンメキシカンアートみたいなものも見てみたかったけど、それも見つけられなかった。残念。
これまで観光してきてメキシコのビビッドな色彩感覚にかなり刺激を受けたので、近頃のアートのトレンドがどう様変わりしているのか、あるいは進歩してきているのかがちょっと気になります。日本に帰れば絶対に入りっこない情報ですから。
今度メキシコに行ったら近代アートミュージアムとか、なんかの企画展とかあればぜひ足を運んでみたいと思っています。おもしろそうなものが見つけられそうな気がしています。
さて、二階に行って眺めのいい席をキープ!
メキシコ人らしき店員さんがやってきて、うやうやしくメニューを置いていってくれました。メキシコ料理が食べたいのでそれを伝えると、メキシコの定番朝ごはんがあるからそれにするといいと言ってくれました。他は量が多いから一人じゃ食べきれないかも、とのこと。オッケーじゃあそれで!
で、きたのがこれ。
そこまで辛くないトマトチリソースに、チーズとほうとうみたいなのが浮かんでいます。あとはパンがついてきて、ジャム数種類が付け合わせ。
しかしですね、この頃からこのあずきみたいな豆をふかしたようなものがちょっと邪魔に感じてくるようになりました。「わ〜またついてきちゃったよ〜」って感じ。
こちらのメニュー、全体的に美味しかったかどうかと言われると「普通」でしたが、マンゴーのジャムはものすごく美味しかったのです。そういえば父親が昔マンゴー好きだと言っていたのをふと思い出して、一個は父親に、一個は自分用に二瓶買って帰りました。
ずっと長居したくなるような楽しいお店。
本だけじゃなく、CDやレコードも豊富でいろいろ物色したくなりました。
このお店、後で知りましたがチェーン店らしく別の界隈でも見かけましたが、入ってみる価値はあると思います。でも定番ブレックファーストはイマイチだったので違うのを頼んでみるほうがいいかも。
Cafebreria El Pendulo Roma
Cafebrería El Péndulo Roma. (メキシコシティ) の口コミ125件 - トリップアドバイザー
個室みたくなっている吹き抜けのおしゃれなパティオもありました。
メキシコ建築は全体的にクオリティー高め。
それにしてもこのローマ地区って歩いてみるとものすごく大きい。
午後ずっとこの辺を散策したつもりだったけど、暑いし広いしだんだんどこを歩いているのかさっぱり分からなくなってくるし、網羅したつもりだったけど帰ってきてGoogle Mapで見てみたら全然網羅してなかったことが発覚。マジかー。結構歩いたんだけどなあ。
とにかく広いのよメキシコシティ。地図で見れば単純に見えるんだけどね。
どこに行っても緑があふれていていい街です。危険な雰囲気は全くなく、こんな楽しい街はもっと世界に知ってもらうべきなんじゃないかと思いました。
このエリアはAirbnbも山ほど物件が出てくるので、実はここら辺にするかチェントロ(市街中心部)にするかで結構悩みました。
だけどこのエリアの欠点は地下鉄が近くにないのでバスだけが最寄りの手段になるということがマイナスポイントでした。まあとは言ってもバスも慣れちゃえば平気なんですけどね。
スペイン語やろっかなあ。
(やらないと思うけど)
なんかスペインも久しぶりに行ってみたくなる。
今度スペインに行く時は、コスタデルソルからセビリアへ上り、その足でポルトガルへ抜けてパリ経由で帰ってくる作戦を立てています(+ 地中海と大西洋で泳ぐ)。ざっくり二週間コースですね。さすがに一週間では足りない。二週間でも足りないかも。
最近考えるようになりました、自分が定年する時のことを。まだまだ全然先の話ですよ。いつを定年とするかもこの先はもはやわかりません。でもある程度の区切りがそのうちやってくるわけだから、その時に自分のご褒美(出ました得意のワード)を作って、「その時までにこうありたい」とか「その時がきたらこうしよう」というのを今のうちに考えておけばそれを楽しみに生きていけるなって思うようになりました。
ここ数年はそんなふうにずっと先の自分のことを考えて、今何をしておいた方がいいのかをよく考えるようになりました。仕事やライフスタイル、健康、保険などいろんなことを整理し始めたら必要なものとそうじゃないものが明確になってきているというか。私の周りでもそんなふうに考えている人はほとんどいません。私が特殊なんだと思います。まるで死ぬ準備みたいな感じもしてふと「あれ、もしかしてお迎え早めなのかな」と冗談で思うことも何度かありましたが、逆にもしそうなったらどうしようかなとも考えるようになりました。
いずれにせよ旅または外国生活は、切っても切り離せないものになるような気がしています。自分の人生なんて大したこともないごく普通の人生だけど、自分なりに目に見えない小さなものをコツコツと積み重ねているような気がしています。具体的に何かって言われるとよく分からないけど。
ということでローマ地区ぶらり街歩きはまだ続く。