メキシコシティの郊外で毎週土曜日だけに開催される「Bazaar Saturday」は蚤の市や民芸品が好きな人は絶対に外せない。シティから少し郊外にあるけれど足を伸ばして損はなし。いわゆるアーティスト系の民芸品が多いので掘り出し物を見つけに行ってみたい。
調べてみると行き方はメトロでも行けるのだけど駅からかなり歩くようなので、私はトラムのように専用レーンを走るバス(MetroBus)を使って行きました。
実際に乗ってみると、並木道の大きな通りを一直線に走るので車窓から見る土曜日の朝の街並みに癒されます。乗り換えもないし第一危なくない(念のため防犯のためにも座席が空いたら遠慮しないで必ずゲットして座ってくださいね。ただしお年寄りが来たら躊躇せずに譲ることもお忘れなく)。「La Bombilla」という駅で下車。進行方向向かって右手の通りを道なりに登っていくと公園が見えてきます。
ここは多くのアーティストが毎週土日に絵を売る市場になっていました。
一瞬ここが目的地かと勘違いしましたが実際は違いました。Bazaar Saturdayはもっと奥にありますがこちらは土曜日だけ開催ですのでどうぞお気を付けて。
La Bombilla駅からBazaar Saturdayまでのアクセス
San Jacinto広場を目指すように歩くといいと思います。道中もお土産屋が並び、ちょっと欲しくなるようなラグとかも売ってました。ほのぼのしててすごくいいです。また、このサンアルヘルという地域はもともと簡素な高級住宅街になるようで、大きなお屋敷やシックなレストランもあって歩くだけで目の保養になり治安も悪くありません。
三度の飯より民芸品が好きな自分は着いた途端もうすっかり夢中になりました。ただ、お店の人はほぼ全員(90%)意地でも英語を話しません。私はたまたまイタリア語をちょっと知っているせいで値段の数字くらいはなんとなく理解できるのですが、英語圏の人もさすがにみんな困るだろうなあと思いきや、第二言語でスペイン語を習う機会が多いのか米国人もフランス人もスペイン語をベラベラ喋っているのを見て衝撃を受けました。いくら英語の次に話す人口が多い言語とはいえ、そんなにスペイン語って日常的に話せる言語なの?
とにかくこの後はお買い物に夢中になってバザールの写真がほとんどないので買ったものをお見せします。
1. 石鹸
ただの石鹸だと思いますでしょう?そうです。ただの石鹸です。
ただし香りがものすごくいいです。
レモンはレモンだし、ラベンダーはラベンダーのしっかりした香りがします。
自分が買ったのは多分ですがアーモンドだと思います。
帰国後スーツケースを開けたらこの石鹸の香りが全開で漂い途端にノスタルジーを感じました。今も未使用でジプロックに入れて保管していて香る度にメキシコのあの日の土曜日を思い出します。嗅覚もこんな風に記憶を呼び戻すものですね。
友人のお土産にもいくつか買いました。地元のおばさんも買いにきていました。
値段は全く覚えていません。
2. 絵
すごい気に入ってます。何百枚とある作品の中から30分くらいかけて選び抜きました。2枚買うからまけてとお願いしたら「僕たちファミリーはニューヨークでも商売をしているんだから値段はどこに行っても一律なんだ」と最初はダメって言ってたけど、最後はどうでも良くなったのか結局まけてくれました。
この絵は並べて飾る前提で買いました。だから色合いと全体のバランスをとにかく考えました。今も部屋に飾っているのですがすごく目を引くみたいで、たまにうちに来る人はみんなどういうわけか私の作品かと勘違いをしてくれます(謎だ)。
これも値段を忘れてしまいましたが、確か二つで300ペソ(1,300円くらい)だったような気がします。
3. 器
これも一目惚れしちゃって。フルーツ柄っていうのに永遠の女子心をかなりくすぐられました。一切まけてくれなかったですが、たまにはそういう一本気のあるアーティストがいたとしてもいいと思って素直に言い値で買いました。これは350ペソ(1,500円)くらいしたような気がします。
すっかり埋もれていますがよく見るとおばさんが奥で絵付けをしています。
(写真撮っていいかと一応お断りしてから撮らせていただきました)
この他にもボタンとか小さなミニチュアとか女子が好きそうなお店もあってとにかく楽しい。周りもみんな楽しんでいるようでものすごい集中をして買い物をしている感じでした。私もそうだったけど、こういう時こそスリに気をつけなくちゃね。貴重品を全部腹巻きに入れている私はある程度の安心はあったものの、Tシャツがめくれ上がってうっかり腹巻が晒されていないようにお腹をなでて確かめながら買い物しました。相手はプロなのでナメてかかってはなりません。これはイタリアでの教訓です。
さて、お買い物も最高潮に満喫したので軽く食事したいと思います。
こういう時は屋台に限る。
ここでフォカッチャみたいなのに具を入れて揚げてる屋台を見つけ、早速挑戦。
しかし具が全然分からない。
すると隣りにいたメキシコ人女性が話しかけて来てくれて、これとこれを選べば間違いないと教えてもらったのでその通りに注文をする。ところがお店の人に何かスペイン語で聞かれるのだけど全然何を言ってるのかわからず、しばらくして名前を聞かれていることがわかりました。なんで名前を聞かれたかというと、注文して出来上がったら名前をよんでくれるシステムになっているからなのでした。「待っている間にうちのおばあちゃんにお会計すませておいてね」(←これは理解できた)と言われて見ると、化石のように微動だにしないおばあちゃんが椅子に座っている。私があいにく大きいお札しかなくてごめんなさいと言ったら、近くにいた青年が自分のお財布から両替してくれたり、足りない分は近所に走ってくれたりして、メキシコ人いい人だなあという印象をそこでも持ちました。イタリアだったら発狂されて終わりだよ。
そうしているうちに名前を呼ばれて熱々の揚げたてフォカッチャサンドを受け取る。
メキシコ名物のオアハカチーズと黒い野菜みたいなやつ。「黒いのは珍しいと思うからぜひ挑戦してみて」と先ほどの優しいメキシコ人のアドバイス。
(写真奥にいるのがおばあちゃん。暗算の名人)
うん、美味しい!揚げたてだしね。チョイスしたオアハカチーズも伸びて伸びて伸びまくりでした。黒いのはいまだになんだったのかわかりません。ナスじゃないよ!
よし、とりあえずちゃんと腹ごしらえもできた。
こういうところでマメに補給しておかないと歩き疲れちゃうから。水もしっかり飲んだしもう大丈夫。
メキシコシティって想像と全然違う。もっと退廃的な街かと思ったら、緑も多くてお天気でほのぼのしていて素朴であったかい。
なぜだ。
あんなに危険な街だと聞いていて実際にそうなんだろうけどこんなにホッとするのはなぜなのだろうか。
El Bazaar Sabado
- MetroBus一番線La Bombilla駅下車徒歩10分
- San Jacinto広場周辺で毎週土曜日開催
- 時間は10時30分くらい到着を目処に行くとちょうどいいんじゃないでしょうか
- 地図は前述の通り
今はUberという強い味方もありましたねそういえば。メキシコでも利用率は大分高いと聞いています。見知らぬドライバーを信用しないように流しのタクシーも気をつけて。