村上RADIOも始まってから早いものでもう7回目。
今回は先日応募してまんまとはずれた公開録音のスペシャルナイト、先週から二週連続で放送されました。村上春樹さん作家40周年記念なんですって。40年も作家を続けるのってすごいことだなあ。
ゲストも登場人物も大物だったけど、気さくで飾らない大人なラジオ番組だったし、あっという間に時間が過ぎてすごく楽しかった。
ジャズセッションあり朗読あり、トークも面白くて何度か笑わせてもらいました。
村上春樹さんは海外ではよく朗読会を開催しているのですが、日本ではその機会はほぼゼロ(私の知る限り一度しかありません)。だから今回の朗読はとても楽しみにしていました。
朗読したのは「夜のくもざる」。
内容もすっかり忘れていたけど、ほんの数分でもぐっと引き込む独特のグルーブ感はあの当時ならでは。久々にシビれました。ついでに安西水丸さんの表紙も思い出しちゃったりなんかして。個人的には「めくらやなぎと眠る女」のバス停の風景のあたりなんかお願いしたいです。
また、特別ゲストの渡辺貞夫さんが震災の歌「花は咲く」を演奏しました。もともといい歌なんだけど、貞夫さんのサックスが実に詩的で見事な演奏だった。聴いているとまるで自分の心の奥にそっとしまってある情景が静かに浮き上がってくるような、繊細で柔らかくてとても優しいタッチの余韻に感動してちょっと涙が出た。「貞夫さんは優れたメロディメーカーだ」と村上さんが言っていて全くその通りだと思ったし、しいては「優れたストーリーテラーだ」とも思いました。素晴らしかった。
これも名曲。
村上さん曰く、「歌詞が暗いけど曲調が明るくていい」とのこと(笑)。
番組はまだradikoで聴けます(今日現在)。
良い時代になったもんだ。
ちなみに番組で「遠い太鼓」の話をしていました。
このブログでも何度か紹介している一番大好きな旅エッセイです。
一応過去の記事貼っときます(無理して読まなくてもいいです)。
「遠い太鼓」と「雨天炎天」が私のバイブルだ。
二冊もバイブルなんて豪語するとは我ながら図々しい話だけど。