世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

オアハカのおばちゃま

 

キューバからメキシコシティに飛び、まずはオアハカという地方都市へ移動する。

 

 

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メキシコは思ったより大きい国で、いろんな地方都市へのフライトがバンバン飛んでいる。人も多くて夜でも賑やかなので逆に安心する。チリドックとヨーグルトで満たされて搭乗ゲートで待ってる間に、おそらくなんか日記書いてるだろうと思って見たらやっぱり書いてあった。

 

 

オアハカ行きの人々はクリスピー・クリーム・ドーナツをお土産に買ってる人がすごく多い。人気なんだね。日本でいう551の豚まんみたいな感じなんだろうか」

 

 

 

くだらない情報ですみません。

 

 

そしておまけにこう書いてあった。

 

 

 

「空港からcollectivoに無事に乗れますように!」

 

 

そう。

オアハカ着くのは夜の10時。

いろいろ調べたけどタクシーの送迎サービスなんてないみたいだし、白タクに乗せられてサボテンの下に埋められても嫌だ。考えた末に乗合タクシーに乗ることにした。乗合タクシーのことをメキシコではcollectivoと言う。見知らぬ運転手と夜に二人っきりになるのはとにかく怖いので、せめて地元住民に混ざったほうが安全だろうと思った。

 

 

ここからは前回書いた現地通信「安否確認」コーナーに書いてある記事に詳細があるのでよろしければご覧ください。メキシコに着いた感動で興奮しきりな様子がわかります。

 

beabea-journey.hatenablog.com

 

 

この記事にあるように、機内ではカラフルなオアハカ民族衣装を着たとっても明るくてファンキーなおばちゃんが隣りに座ってくれたおかげで一睡もしないまま(できないまま)オアハカまでおしゃべりすることになり、しかもホテルまで送ってくれてパンまでくれたのだった。だから心配していたcollectivoにも乗らずに済み、とても早くホテルにチェックインもできた。

 

ホテルまで送ってもらっている途中でふと「あれ、私大丈夫かな。全く警戒心ないままついてきちゃったけど実は強盗とかで身ぐるみ剥がされたりしないよね??」と一瞬焦った。基本人を信用しないはずの私にしては見知らぬ他人のお誘いにホイホイのるなんてとっても珍しい出来事だったと今でも思う。それほどこのおばちゃんのパワーに圧倒されたのだろう。

 

おばちゃんは奇病難病の子供たちの顔を治す整形外科医。これまでの事例を写真で何枚も見せてもらう。わりと見るに耐えないものもあったけど、彼女の施術のおかげでみんな見違えるようになっていた。おそらく「誰かを助けてあげたい」という気持ちが人の百倍くらい強い人なんだと思う。ああいうお医者様に出会えた子供達はラッキーだ。彼女は事情があってご主人と離縁をし、自分の子供達以外にもアジア人の小さな女の子を養子として迎え、総勢5人のお子さんを一人で立派に育て上げていた。マザーテレサみたいな人だ。

 

この日は地方での学会の帰りとかで家族へのお土産にパンを(冗談じゃなく)30個くらい袋に詰めて持ってきていて、ひとたびトランクを開けるとものすごいパン臭(いい香りです)。機内はパンやらクリスピークリームドーナツやらがそこら中にあふれていてスッチーさんも優しく一つ一つトランクを閉めていた。

 

これがそのパン。炭鉱の町で有名なところで、そこでしか買えないパンだと言っていた(ような気がする)。作業員が片手でも食べれるようにこの形をしているらしい。

 

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しかもおばちゃん、ホテルまで送ってくれて感動的なお別れをしたのに、私がチェックインカウンターでカードをせっせと書いてる時にすぐ戻ってきてこう呼びつけるのだった。

 

「愛しのアミーガ、あなたにあげるって言ったパン、渡しそびれたの思い出して戻ってきたわよ〜!!」

 

 

なんていい人なんだ!!!!

 

車を運転していた息子さん、お母ちゃんに振り回されるね(笑)。

でもこういう天性の人の良さは幸せをおびき寄せるものだと思う。

いいお母ちゃんもって幸せだなって思った。

おばちゃま、どうかいつまでもお元気でいてください。

キレイな歌を歌ってくれてどうもありがとう。