世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

③モロッコの目覚まし時計

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さて、タンジェでお説教とフレッシュミルクの洗礼を受けた私達は、ようやく(待つ事5時間)フェズ行きの列車に乗ることができました。

フェズ。モロッコ最古の町。

しかも「あの皮染めるやつみたいね」が実現するのです。さいさきの悪かった私達もちょっとワクワク。
すると車内で1人のモロッコ人男性(おっさん)が声をかけてきました。全くナンパな感じもせず、私達の名前をアラブ語で書いてくれたり割りとフレンドリーな時間を過ごしたのです。列車はまもなくフェズに到着する頃、彼がこういいました。
「ガイドは決まってるの?フェズは複雑に入り乱れた町だから迷子になると怖いよ。」

確かに旅友が持っていたペラ一枚のモロッコ情報には同様の事が書いてある。
「僕の従姉が安く請け負ってあげるから。」
それじゃーお願いしようか。この人悪そうな感じはしないし。
承諾すると彼はさっそく携帯電話で従姉なるものに電話でアポを取り、私達は翌日フェズの駅前でそのガイドと待ち合わせをする事にしました。別れ際、彼はこう言って立ち去りました。
「よい旅を」

フェズの駅は(タンジェと違い、全く違って!)都会。アラビックな建物が建っていたり噴水があったり、ちょっと安心感。するとそこでお水を売っているスタンドを目にしました。スペインで調達した水は底をついていたので私はすぐさま買ってミネラルウォーター1ℓのふたを開ける。
ふたを開ける・・・・。
「ちょっとふたがゆるい」開けた瞬間、ほんの一瞬そう思いましたが、ガブガブガブガブ飲み干す。
乾燥した地域で飲む水はなんておいしいんだろう。

宿探しは簡単。駅でタクシーの運転手が我先にダッシュしてきてホテルを紹介してくれます。一見不安な方法ですが、ギリシャも似たような感じで結構大丈夫です(運が悪ければ外れるかもしれないのでお気をつけて)。だってインフォなんてないんですから。
そしてホテルに到着した後併設してあるレストランで簡単に食事をし、即寝ました。

すっかり疲れきっていた私は、何かの音で突然ハッと目を覚ましました。
音?いや、違う。声だ!!!!

「ア~アアアアア~ア~」

「なんとそれは大音響のコーランの祈り!しかも外から聞こえる!!
急いでカーテンを開けると、朝もやに包まれた町中の電柱に取り付けられたスピーカー(選挙カーうぐいす嬢がつかってるあれ)から超大音量のコーランの祈り。
「ア~アアアアア~ア~」
「キャ、異国情緒☆」なんて全く思いません。しばし呆然と立ち尽くす私。
「あのー、わたくし眠りたいんですけど」
「ア~アアアアア~ア~」

これには本当に驚きました。イスラム圏に来たのはこれが初めてだったので余計驚きました。よろめきながらベットに戻ろうとしたら今度は「グルルルル~」お腹の音。
トイレへいってそれからベットへようやく戻りました。その頃には祈りも無事終了。
あの祈り、どうも肉声っぽかったんですよねー。テープか肉声か、ひたすら考えながら二度寝
で、このお腹の声、その時はあまり気にしなかったんです、その時は。