『グランブルー』 これはまさに、「海」とそこに生きる「男」の物語ですね。 ご覧になってる方が殆どだと思うのであらすじは割愛させて頂きます。 この映画の見所は何と言っても壮大で雄大な 海。 この「グランブルー」っていうタイトルはぴったりですね! 英訳だと「グレートブルー(素晴らしきブルー)」になってますが、おそらく「グランブルー」は(大いなる海)だと思います。微妙に意味や響きが違うのがお分かりでしょうか。 私は断然「グランブルー」の方がぴったりだと思うので、こちらのタイトルでいかせてもらいます。 この海が、言葉に表せないくらい静かで深く、美しい。 そこは、すなわちジャックマイヨールの住むもう一つの世界ですので、この世界をいかに美しく魅力的に映像化するかを考えないと、観ている者がラストに納得できますまい。 暗くて深くて神秘的な海の描写はさすが、フランス人リュックベッソンですね。 エンゾ(ジャンレノ)がまた、この映画の大きなポイントでした。天性でジャックには勝てないと分かっていながらも挑戦し続ける彼の姿は、観ていて非常にすがすがしい。そしてきっと彼は「限界を知らない自分」を信じていたのだと思います。コミカルで快活なエンゾは非常にエッセンス的要素でした。 そしてジャック。 冒頭のシーンとラストのシーン。 感動的という言葉以上に、震えました。特にラストは。イルカとのダンスですね。ジーン。。 彼は特異的な体質をもともと持っているのですが、彼は記録を信じるのではなく、海と同化しているだけなんですよね。しかも自然に・・・・。 ジャックが海と融合し、 海がジャックを包み込む。 理解ではなく受け止める自然体の奥ゆかしさ。 彼はきっと海で呼吸し、共存していく類まれなる存在なのでしょう。 海のおとし子とでも言うべきか・・・。 『ジャックマイヨール イルカと海へ還る』という本を数年前に読みました。 ジャックの人生は順風満帆だったんですよね、初めは。もともと素もぐりの資質はあったようですが、海とイルカに出会ってからは、実在する彼の人生も映画と同様に波乱万丈。奥様も何度か代わられました。多少気難しい性格もあったようです(海男ですからね)。でもなぜか、このジャックマイヨールという人に惹かれてしまうのは、おそらく彼の持った天性の資質と無邪気なキャラクターのギャップにあるんだと思います。実話もなかなか魅力的でした。スラッと読めました。(またジャックを囲む人達が素晴らしい) 何度も言いますが、あのラストはジーンときたなぁ。。。 というわけで、思いつきのついでに、「ぶらっとイタリア」に私が訪れたこのグランブルーの舞台、シチリアを投稿してみます。(こっちはあんまり期待しないで下さいませ)